【刻命館】 汝の魂を魔神に捧ぐ
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ああ、異国の説話と言うか宗教の物語だったかな?
私もあまり詳しくないけれど、本来は「善悪を知る知恵の木の果実」を食べてしまったという記述なのだよね。
その実を林檎だと解釈するようになったのは時代が下ってからで、
もともとの話が興った地域では、その時代に食用の林檎は存在しなかったとか。
知恵の木の実が林檎となったのは、言葉の誤訳以外に理由があるのだろうか、興味深いねえ。
私個人としては、林檎は甘味と酸味のおいしい果物という認識かな。
悪魔の果実というイメージはないし、そもそも悪魔という存在があまり分からなくてね。
知恵の実を食べるよう誘惑したのは悪魔だけれど、その実は何故食べてはならないものだったのだろう?
善と悪を知る「知識」の実──これだけ聞くと、悪いものには思えないんだ。
創造神という存在は、何故人間が知識を持つことを好まなかったのだろう。
……私はひねくれ者なものだから、それだけで神という存在に対して懐疑的になってしまうね。
まるで人間は何も考えずに遊び暮らしていれば良いかのような話じゃあないか。
──まあね、謀略によって追われた私としては
いっそ知恵などなくても良かったと思わないでもないけれど……何とも釈然としないね。
歴史書というものは、大抵「勝った者」「生き残った者」が記し、それを是とする権力者が伝えていくものだ。
宗教もまた、歴史の縮図じゃないかな。とりわけ善と悪について語るものは、
起源をたどれば民族同士の諍いのようなものさ。
もちろん、それを信仰することで自分の生に意味や潤いを得られるのなら結構。
しかし、まあ……信仰もほどほどが良い……と個人的には考えるよ。
正義という美酒に酔い狂信する人間に、私は憎まれているからねえ。あれはいけないよ。
林檎を食べるのは大いに結構、1日1個の林檎は医者を遠ざけると言われるくらいだから、栄養のあるものだろう。
君も林檎を食べるのは構わないが、妙な知恵の実には気をつけると良い。
気づけば夏の暑さも和らいで、風が心なしか爽やかになってきた気がするよ。
私も虫の声というものを堪能したいものだけど、この館を取り巻く森には
あいにくそういった風流な存在はいないようだよ。
>>195 (魔導器の偽者持ってきた輩をどう思いますか?)
ああ、「魔将軍」ジャドーのことだね。
……アスタルテは「随分となめられたもの」と珍しく怒りを露にしていたようだけれど、
私は別の意味で彼に興味があるねえ。
「将軍」と呼ばれるからにはゼメキアなりエンゼリオなりで地位のある人物だと思うんだが、
私の記憶ではゼメキアにはジャドーという人物は……
まあ魔導器の紛い物を取引の材料にするくらいだし、何より自分自身の似姿を生み出して使役する男だ。
偽名の可能性もあるしそもそも鎧と兜の姿では判別しがたいところだね。
しかし不思議じゃないかい? 仮にエンゼリオの人間だとして、
魔法を研究している彼が将軍などという地位を得られるだろうか。
今でこそゼメキアとエンゼリオの関係は随分と良くはなっているけれど、
国の成り立ちが成り立ちだからねぇ。エンゼリオで魔法を学ぶのはどうかと思うよ。
──何より、偽物を持ち込んではきたが彼は実際に「魔神の杖」を持っていた。
そして外見も能力もオリジナルと遜色ない「クローン」と呼ばれるしもべすら作り出し使役していた。
彼はどこで魔導器を手に入れたのか? その知識と技術はどこで身につけたのか?
謎の多い男だよ。傲慢な言動をしてくれたが、まあそれだけの力はあると思うよ。
魂もなかなかの……良質で重いものだったからね。
ただ、契約者である私の立場からすると面白くはないね。
偽物の杖を携えてアスタルテに取引を持ちかけた時、私のことなど眼中にもなかった様子だったからさ。
まるで「おまえなどいつでもひねり潰せるのだ」と言わんばかりにね。
当の契約者を他所に勝手に話を通そうとしないでいただきたいものだよ。
──ジャドーはあくまでも魔導器と引き換えに自分の願いを叶えようと目論んでいたから
魔神と契約するつもりは無かったようだけど、
そんな真似をされたら私としては黙ってはいられないさ。
と言うより、魔神と契約し魔神を復活させる以外に、願いを叶えてもらうことなどできるのだろうか?
魔導器が本物で、しおらしく差し出せばアスタルテはもしかしたら受け取ったかも知れないが
あくまでも彼女は使い魔だからねえ、願いを叶えることなどできるのかな。
……出来ないとしても魔導器と魂をきっちり頂戴するだろうことは分かるけどね。
いや、少なくともこうなってから想像したことはないねえ。
昔は少しだけ考えたりもしたけれど。
私がユリアスの策略に嵌められたのも、要するにユリアスにとって私の存在が邪魔だったからだよ。
第一王子の私が健在である限り、第二王子のユリアスは王位に就けない。
フィアナの婚約者が私である限り、ユリアスの想いは成就しない。
──ふふ、あれの立場になって考えてみると、実に八方塞がりだね。
ユリアスもあれで昔は大人しくて良い子だったんだよ。
勉学も魔法も努力するしね、私の後をついてきては兄さん兄さんと……あの頃は可愛かったなあ。
今はまあ、別の可愛さがあると言えばあるかも知れない。
あれは兄である私を純粋に慕っていて、しかし兄の婚約者であるフィアナに恋をしてしまった。
そうして葛藤するうちに、ザムールにつけ入られてしまったのさ。
ユリアスがもし王女だったら、まずフィアナへの恋心というのが芽生えるかどうか……
同性であっても恋情のたぐいは否定できないけれど、ここまでこじれなかっただろうね。
それに、王女なら王位後継の争いにはなりにくかろうね。
あくまでも私に対抗するのであれば、王女ユリアスが
ゼメキア王家と釣り合う家柄の人間と婚姻関係を結び男子を産み、
私が死んだ後の王位継承権に噛ませる……まあ回りくどいやり方ではあるけど、
権力だけ欲しいのならそれもありだろう。
ユリアスが弟でなく妹であったなら……私は謀殺されなかったのではないかと思うね。
その点では「ありえない幸福な未来」に憧れもするけれど、
しかしそれでは……まあ、何だ……この館の物語が記されることもなかっただろうから、ねえ。
私とフィアナが婚約したように、ユリアスがエンゼリオに輿入れしたかも知れないな。
……誰とかが問題だ、エリオウスか?
エリオウスとユリアスが組むなんて、何とも面倒と言うか厄介と言うか……いや王女ユリアスなら違う性格も有り得るのか。
どうだろうねえ……。
まあ、起こり得ない話について考えてもきりが無いね。
アスタルテ、そろそろ食事の用意を頼むよ。
今頃君たちは眠りについているころだろうか?
私は珍しく獲物の来訪が無いものだったから早めに床に就いたのだけど、
目が覚めてしまったよ。
何とはなしに窓からわずかに吹き来る夜風にあたって、色々なことを思い出していたんだ。
30年にも満たない生の中で、思えば随分変わったものだよ、私も……私の周囲も。
変化は突然訪れるものなのだろうか? 少しずつ積もっていく心の澱が変化をもたらすのだろうか?
>>200 (あの世で俺にわび続けろとか言われた人に似た境遇なのかもしれんね)
ああ──異国の物語にはあまり詳しくはないけれど、勇者であり、何より人間であり……
それゆえに魔王と変じていった青年の物語だったかな。
個人的に、私は彼の境遇について同情むしろ共感を禁じ得ないよ。
……魔王など最初から存在しない、ただ人間が生み出したもののひとつに過ぎない。
私が契約を交わした魔神とてそうさ、魔導実験のさなかに生まれてしまった──
人間の生み出した「予定になかった」存在だ。
君の言う「あの世で俺にわび続けろ」という言葉は実に人間らしい、魂の叫びとも言うべきものだね。
どれほど望んでも叶わない願いはあるし、どれほど研鑽を積んでも届かない境地はある。
かの魔術使いもまた、立ち止まるわけにゆかず、しかして届くことのない親友の存在に苦しんだのだろうね。
──しかし、ひとつ解せない点を挙げるとするならば……何故彼はそうまで憎みながらも「親友にして好敵手」に甘んじていたのだろう?
ともに過ごすことで苦痛しか得られないのなら、彼は離れるべきだった。
相手に、他人にどう思われても良いんだよ、自分の心が耐えられないのなら離れるべきだ。
他者との友情や愛情といったものに打算がないわけがないだろう?
そして魔王となった英雄もまた、ただ強く善良な勇者だったのだろうか?
「親友」のことを、省みずに──ただ身勝手な信頼を寄せていたのではないだろうか。
「裏切られた」「騙された」という言葉は、とても勝手だ。
……私もまた「裏切られた」という念を頼りに半ば闇の住人と化した命を繋いでいる存在だからね、
自戒、自嘲、後悔……そんな思いをこめて言おう。
信頼は、己の判断でするものだよ。だからこそ、信頼の結果予期せぬ結果にたどり着いたとしても責任は自分にある。
「裏切られた、騙された」……それは相手に罪と責任を被せ、
また自分は思考せず判断せず流されていただけの人間だったという告白に他ならない。
……ああ、私もまったく未熟で愚かだったものだ!
ぬくぬくと王太子の座に守られて醜いものから遠ざけられ、
そのくせ自分は国と民を愛しているから、民は応えてくれるのだと……だからこそ民の信頼に応えようと思っていた。
その結果が、これだよ。私は愛する弟の謀略によって国王殺し、父殺し、国家への反逆という
大罪人の烙印を押され、誰も私の言葉に耳を傾けてはくれなかった……!
──ふふ、他人を信頼してはならないというわけではないよ。
ただ、信頼するという行為は、私たちが想像する以上に大きなものだ。そして、自分の選択なのだ。
後になって「自分は知らなかった」と言うのは、どうだろうね?
……つまらない長話に付き合わせてしまって済まないね。
亡霊の戯言だと忘れてしまうのも君の判断だ。
親友で、悪友で、私は君の妹との婚儀が決まっていた。
君が初めてこの館を訪れ、今の私の姿を見たときこう言ったね。
「わが友にして妹の婚約者」
「きさまから血の匂い、邪悪な匂いが匂うわ!」
「さてはお前か、この館に住み着いて人々の魂をすすっているという闇の住人とは!」
なあ、エリオウス。君は「ゼメキアの第一王子は死んだ」「館の主から禍々しい気配を感じる」……それだけで、
私を私でないと信じたんだな。
それも君の、付き合いの長い親友への信頼だったのか?
寂しいなあ、実に寂しいよ。私のことを、見ていなかったんだね、君は。
勇者の血を引く仲間を集め、私を倒そうと躍起になっている姿を見るたびに、私は体の芯が冷えていくような感覚に落ちていったよ。
だから私は、決めたんだ。
「これはただの獲物だ、見知らぬ人間どもと同じ、獲物なんだ」と。
最後の来訪では、3人目の仲間が加わっていたっけね。
──勇者の血を引く仲間の、秘められた野心に気づかず……君は仲間に、背後から倒されたんだ。
私は「勇者の子孫」である君と戦うのはご免被りたかったよ。
どうせ決別し戦うことになるのなら、親友でありフィアナの兄である君と戦いたかった。
……寂しかったなあ。
そのくせ今際の言葉が「済まないフィアナ、おまえの王子を改心させることはできなかった」とはね。
ある意味君らしい、手の込んだ悪ふざけだよ。
──皮肉なものだ。もう、私を私として憎み、命を狙っているのは、憎い仇のユリアスとザムールだけになってしまったよ。
最後の楽しみ、悲願の成就の時まで、エリオウス、ゆっくり話し合おうか。
もう君の魂も魔神の贄、私の魔力となったんだからさ。
王殺しと魔王の汚名を英雄にかぶせました。
その後、英雄は本当の魔王になりましたとさ。
…という話か。確かに似てるな。
便りのないのは元気な証拠とは言うものの、私の場合はどちらかと言うと
語らいの時を持てないほど心が沈みきっていたり、
心どころか命が危ういことがままあるからねえ。
館の外は嵐のようだ。森が雨風にざわめき鎧戸ががたがたと揺れる音が聞こえてくるよ。
……急の嵐なら、暖を取ろうとこの館に足を踏み入れる獲物もいるのだけどね、
嵐が数日も続いていれば誰も外に出やしなくなる。
しばらくは私もゆっくり休めそうだよ。
──もしも君が畑を耕して暮らす民であるなら、畑は財産であり命にも近いものだろうが、
様子を見に行くなどおすすめしないよ。
自分の命より大切なものなんてそうそう無いものだし、様子を見に行ったところで
自然の力に対して人間にできることなど無いに等しいのだからね。
農作物に限った話じゃない、何かを作るのに、作り手がいなくなったらどうしようもないのだから。
ふふ。君の言う通り、考えれば考えるほど、私と彼の境遇は似ていると思うよ。
──そう、こういった話はどこにでもあるんだ。
ただ「勇者」「魔王」「お姫様」、そういった存在があることで、それらの物語が語り継がれるだけでね。
勇者だろうが魔王だろうが、人間なんだ。人間が育んだ感情が形になったものだ。
歴史に残らなかった人々にだって、そういった物語はあっただろうね。
嫉妬、憎悪、そんなたぐいの感情が起こした「悲劇」というものがさ。
物語に登場する名前にとらわれず、もっと簡単に見てみるといい、
それはどこにでもある、近しい他人を妬み憎むようになる人間の心の物語なのだからね。
もちろん、殺したいほど憎んだとして、実際にそうする人間と思いとどまる人間はいる。
両者の違いは、いったい何なのだろうね?
感情が勝ったのか、理性や道徳が勝ったのか……ああ、こうして言葉にしようとすればするほど、
陳腐になって本質からまた遠ざかるように思えてならない。
私が言えたことじゃないが、君も気をつけたまえよ。
人間の心というものは、存外もろいものだからさ。
心の器に妬みや憎しみがたまってゆけば、いずれ器を壊してあふれ出てしまう。
……壊れる瞬間は、本当にあっけないものなんだよ。そして壊れてしまったら二度とは元に戻らないんだ。
そうだねえ、以前の私なら考えていたよ。
どうしてこうなってしまったのだろう、戻れるのならあの頃に戻りたい──
そうして、今の境遇を悲しみ失われた過去を思ってばかりの日々が確かにあったよ。
──「時の砂」という魔術具がある。
これは時計の砂が落ちきるまでの間だけ、過去の世界に行けるという物なんだけれどね。
何度かこれを使って古の勇者を始末したり魔導器を探したりしたものさ。
時の砂を手に入れてから、一度は訣別したはずの過去をまた思った。
……それでも、もう戻れはしないよ。戻りたいとも、もう思えない。
仮に平和だったころに戻ったとして、私はどんな顔をしてユリアスに接すればいい?
私は、今の私は、弟が抱えていた憎しみを知ってしまった。
こんな形で憎悪があふれなかったとしても、私とユリアスがそこにいる以上、きっと歪みが生まれるだろう。
私の記憶ごと時間が巻き戻ったとしたら、私はあの頃と同じように……
弟の葛藤にも家臣の野望にも気づくことなく、ただぬくぬくと美しいものだけを見て笑っているのだろうね。
それが正しい姿、あるべき姿だとは……思えないのだよ。
私たちの未来は、薄氷を踏みながら見ていた夢だった。
遠からず歪んで、罅が入って壊れてしまうものだった。
……「あの時ああしていれば」といった想像は、気休めになるかも知れない。
けれどそういった妄想は現実の役になど立たないさ。
次は同じ過ちをしないように注意することはできる、けれど
同じ過ちすら許されないことがある。
──私は、もう過去にも過去に近い場所にも戻れないほど遠いところにいるんだよ。
季節の移ろいから取り残されたような館だけれど、空気が澄んできて
夏の無遠慮さからどこかよそよそしい秋のそれになっていると感じるよ。
木々の梢から見る空も、高くなった気がする。
>>209 (イヴを召喚する時は音の出る円盤を使ったんですか?)
ああ、魔物を育てて戦わせる者たちの世界でのイヴだね。
──あの世界と私が存在する世界は異なっているけれど、神の気まぐれか茶目っ気か、
ごく一部でだけ繋がりめいた縁ができているそうだ。
私が知るイヴは使い魔見習いで、「召喚」するものではないし、
もっと言うと彼女は「そこにいる、けれどそこにいない」ようなものなんだよ。
魔神が創りしアスタルテの試作品のような位置づけだけれど、アスタルテとは異なる「個」だ。
ここではない世界のイヴが、私の知るイヴと全く同じ姿だとしても
存在そのものが同一のものかは神のみぞ知るところ……なのだろうねえ。
ちなみに、私のトラップではないけれど……魔神に関わった者の中には
「スエゾー」という魔物をトラップとして使う者がいたそうだ。
私が殺した前代の主アルデバランの仮面と瓜二つのトラップが過去に存在していたりするし、
イヴにしてもスエゾーにしても同一である証拠はないけれど、いろいろと想像はかきたてられるね。
それにしてもアルデバランの仮面があんなに役に立つのなら言ってくれれば良かったのに、
アスタルテときたら私には全く別の仮面ばかり寄越すんだよ。
最初のうちは何とか使いこなそうと努力してみたけれど、正直無くても困らないと言うか──
あ、やあ、アスタルテ。いつからそこに居たんd
いつも無口だった分、なんかたまってんのかな。
アスタルテ様がご主人にお説教してるよ。悲鳴っぽいのが聞こえる気もするけど空耳かな?
あっちのイヴは元気に活躍してていいよねー、自分のことながら羨ましいってか誇らしいってか複雑だよ!
て言うかあれはイヴなのかな、イヴに似た子に同じ名前つけたとかそういうのなのかな、自分でもなんか良く分かんないや。
こっちの世界は重苦しいし、キュートでチャーミングでラブリーシャイニーなイヴがいると微妙に空気読めてない感なのは分かるけどさー。
イヴと会う方法からして内緒話みたいな扱いなのはどうかと思うよね!
イヴみたいな子がいた方がコントラストっての? ギャップっての? なんかそういうの味わえると思うし。
人間狩り以外の時間のご主人についても取り上げられそうだし、悪くないと思うんだけどなー。
でも、秘密の方法でも出てこられただけイヴはまだ良かったのかな?
イヴは使い魔見習いだけど、それにすらなれなかったヒトがいっぱいいるしねー。ヒトって言っていいのか微妙だけど。
じゃ、ご主人とアスタルテ様の長い夜は放置してイヴは寝るよ。オヤスミー!
なのに何故手駒を欲しがるのでしょうか?
朝晩は空気が肌寒いくらいになってきたね。
私も……外には出ないけれど衣替えをしないといけない。
冬に向けて暖炉を掃除したり、薪も仕入れておかないといけないし、
館に籠もって暮らすというのもこれはこれで季節だけは感じられるかな。
>>212 (アスタルテは何故手駒を欲しがるのでしょうか?)
私が使うトラップはそもそもが魔神の力の一部だからね。
アスタルテの方がその力との親和性が高いのもやむなしだろう。
ただ、彼女が言うには……彼女の使うトラップの力は人間を殺すことに特化しているそうだよ。
いかに罠の連鎖で獲物の抵抗する間もなく仕留めようと、欲しいのは人間の魂だからねぇ。
アスタルテが使うと連鎖が起こり人間の魂を抜き取れず、
私が使うと連鎖は起こらず人間の魂を抜き取ることができる──
同じ魔神のトラップでも何故そうした違いがあるのかと考えて、
やはり私が人間だからだろうかと思ったよ。
アスタルテは人間と同じ姿をしてはいるが、魔神の一部だからね。
多分、人間が絶望や憎悪のような感情に囚われて魔神と契約を交わすことに意味があるのだろう。
人にあらざる魔神の殺戮よりも、人であるものの殺戮の方が業が深い、とも言えるかも知れないね。
もっとも、殺戮という表現も獲物どもの言い分で、私は私の正義に則り戦っているだけさ。
……正義と言うには、いささか感情に走ってはいるけれどね。
国ひとつ治める者は一声挙げて手を振れば戦を起こす。
それに比べれば私の行いなど実につつましい。手にかけた人間の数も100かそこらだよ。
この太陽に祝福されし地で、また祭りが始まったよ。
今度は私を拒む気配を感じなかったから、アスタルテに掛け合って
館の外に出られるようにしてもらったんだ。
どうやら様々な世界からヒトが集まっているようだから、是非遊びに来るといい。
その間に獲物が来ちゃったらどうすんだろ。
それともアスタルテかイヴのアイデア?それとも他の場所で入手したもの?
自由と呼ぶにはあまりにも瑣末な、一時の夢……それしきのもので
多少なりと英気を養ってくれれば私にとって何の問題もない。
精々祭りとやらを満喫することね。
「キャハ! 利口な館主を育てるにはアメとムチってやつですよね、アスタルテ様!」
ええ、そうよイヴ。
とりわけあの男にはアルデバランの始末をさせたのだから、
私欲に溺れ役目を忘れたらどうなるか……骨身に染みているでしょう。
どうせあれはもう魔神の駒、憎しみの檻に囚われて何処へも逃れられなどしない……。
仮初めの楽しさに触れようとも、いずれ此処に帰るしかないのだと
あれも分かっているはずです。
──数日程度なら留守番と言うものをやってやらぬでもない。
本来ならば契約者以外の人間と会話をすることなど考えたくないが、
これも魔神復活までの暇つぶしとして楽しませてもらうとしよう。
ようこそ、刻命館へ。現在主は不在のため、
私、アスタルテと不肖の見習いイヴがお相手しましょう。フフフ……。
そうですね、館主が不在の間に人間どもが現れたら、少し惜しい気もしますが
私の手で始末しましょう。魂を抜き取ることはできませんが、潰すことは造作もありません。
人間如きが徒党を組んで来たところで魔神の身にも館にもなんら問題はありません。
「たまにはアスタルテ様もトラップ使って昔のカンを取り戻したりしたいんじゃないデスか?」
そうね……仕掛けがないのは物足りないけれど、無力な人間が為す術も無く
罠に弄ばれ散ってゆくのは悪くない眺め──。
>>215 (バケツとか黄金のタライとか)
フフ、あれらの混乱系トラップは冗談のような存在ですが、悪いものではないですよ。
与えるダメージこそ期待できませんが、頭部への衝撃で獲物の歩みが覚束なくなることもありますし、
少し頑丈な獲物ならば、コケにされたと怒り出して猪のように突っ込んでくるでしょう。
バケツと黄金のタライは今の契約者の発案ではありませんが、
館の歴史から見れば比較的新しいものです。
かつてはカビンというトラップがありました。私が「生まれた」時からカビンはありましたね。
あれはただの花瓶ではなく、獲物の頭に被さることで視覚を封じ、連鎖を繋ぎやすくできますし……
アブラカビンなどは炎系のトラップで火だるまにできます。
その上あれを連鎖に組み込むと報酬の掛け率が上がりますので、便利なものですよ。
「押し」や「延命」にも役立つ、トラップマスターを目指すなら基本のトラップなのです。
どうぞ皆様もカビンを活用して存分に狩りをお楽しみ下さい。
それでは今宵はこれにてお暇いたします。
朝目覚めた時、真上にタライが──とならないよう、くれぐれもお気をつけて。
済まないね、ありがとう。
……祭りはなかなかに新鮮で興味深いものだったよ。
戦うにも様々な方法があり、信念があり、理由があるものだと頭では理解していたけれど、
ああいった場で実際に言葉を交わしてみると
自分独りで考えても分からないであろう発見があるものだねえ。
──ああ、分かっているさ、アスタルテ。
別に今更、私は私の戦いの理由や目的を他に求めたりなどしない。
他者の意見を聞いて成る程と思いこそすれ、それで私が抱いた憎しみも闇も消えはしない。
……この世界には、私のことを知らない人間がいるだろう。
その誰かにとって私の存在は世界の中に含まれない。
私の世界にも、見知らぬ誰かは含まれない。
そう考えると……私の戦いは、「世界」の外にまで手を伸ばす傲慢かも知れない。
それでも良いと思う私は、やはり勇者が倒すような悪なのかも知れない。
……別に、それでいい。
目的さえ果たせれば、もう、それだけで充分だ……。
>>218 (タライでもしかけてみるかな)
──とは言え、やはり普段とは違った雰囲気で会話していると
いかに楽しかろうと慣れないものは疲れるね。心地よい疲労ではあるけれどさ。
トラップ使いを少し休んでいたから腕が落ちているかも知れないし
一休みしたら一狩りしておくとしよう。
……ああ、紅茶を淹れてくれたのかい、アスタルテ。
ありがとう、書斎で少し調べたいことがあるから、そちらでっ──!?
≪落下してきたタライが頭部にコアヒットし21ダメージを受けた≫
≪HP 79/100≫
…………。
……フ、フフ……瞼の裏で星が飛んだよ……。
ドアを開けようとして立ち止まる真上に仕掛けるとは、「分かってる」ね……。
ところでこのタライは私のトラップではないね、まあ仕掛けたおぼえがないから当然だが。
トラップを勝手に起動させる技を持つ者がいるとは聞いたことがあるが、
これは想定外だよ。館を留守にすること自体がイレギュラーなんだけどもね。
少し凹んだが、廃棄するのももったいないしねえ……丁度いい、
湯を張って足湯にしようか。ラベンダーの精油でも使ってさ。
──タライや落とし穴は訓練された者同士での戦いか、
さもなくば演出上「それっぽい物」を使っているものだからね。
良い子も悪い子も真に受けて実践すると面倒なことになるよ。
甘口・中辛・辛口があるけどどれがいい?
あとライスとナンではどっち?
では呪われし名無しに戻りまーす。もう少しで完走、頑張れー!!
館の周りの森は常緑樹っぽいけど、あれが全部紅葉したら窓からの景色は綺麗だろうね〜
冷えるにつれて虫の声も静かになってきたね。
心なしか体を満たす空気も澄んで、星や月が冴え冴えとして見える。
>>220 (モツカレードゾー)
ああ、ねぎらい痛み入るよ。君も祭りに参加していたのかい?
楽しいものだね……私はこの通り、暗い森でひっそりと語らうものだから、
ああいった濃密な数日を駆け抜けるのは、楽しかったよ。
心地よい……疲れと、満足と、反省と……この日常に戻ってきた時の
安堵と寂しさ──ふ、まあいい。
カレーかい? いいねぇ、夏の野菜をふんだんに使ったカレーも良いけれど、
季節を問わず香辛料に食欲をそそられる。
私は中辛にしようかな。たまに甘口を食べたい時があるが、やはり辛さが無いと物足りない。
しかし辛口も作り手によっては本当に辛いからね。中辛が一番良いよ。
そして一緒に頂くのならナンの方が好みかな……パンの方が馴染みがあるのでどうしてもね。
この物語も終幕が近づいている。魔神の復活を願いながら精一杯完走を目指すよ。
私の物語に触れてくれた君たちへの、せめてもの感謝の証さ。
>>221 (紅葉ってご存知?)
紅葉と言うのは、秋になると木々の葉が鮮やかな黄色や赤に変化するのだよね?
言われてみれば、この森はいつも緑と言うには深すぎる鬱蒼とした様相だが、
館の周りが紅葉になったらきっと綺麗だろうねぇ。
そしてゼメキアの観光スポットになって人間どもが群れを成してやってくる……
それを私が端から狩って狩ってまた狩って、紅葉狩りとは良く言ったものだ。
暑さや寒さが厳しければ人の暮らしもつらいものになるが、
そのおかげで甘い果実を食べることができるし、美しい景色に心癒されることもある。
自然というものは、人の考えの外で上手く回っているものだと感じるよ。
人間が知恵をひねって暮らしていても、世界の理には敵うまいよ。
──ふむ、紅葉狩りか……。
青い空の下、野山が鮮やかに染まるさまはさぞ壮観だろうね。私も見てみたいものだ。
私の周りは、いつも赤く染まっているけれどね。
おや、ありがとう。
やはり身だしなみには気を遣っていたいし、まあ獲物どものイメージに応えてやるのも館主の気配りだからね。
普段の髪型は王子だったころと大して変わらないものだけど……こんなに沢山
用意してもらったら、遊び心が疼いてしまうね……。
──髪を金色に染めて、額から左右に分けて……全体的に少しクセをつけると、ほらエリオウスみたいになったよ。
「俺は勇者の血に目覚めたぞ!」……ははは。……あの馬鹿……何が親友だ。
──イヴがちゃっかり付け毛を用意してくれたので、長髪にして結い上げて……サタンクラウンを載せてみよう。
……フィアナ……。……ああ、フィアナ……。
──黒く染めて、前髪を揃えてサイドを長めにしつつ後ろを短く整えてみる。
……アスタルテが何やら睨んでくるのでやめよう。
ミレニア嬢の黒髪は良いものだと思うんだけどねぇ。
ちなみに普段のままで前髪を少し流して、後ろに付け毛を尻尾のように足すと
ユリアスそっくりになるよ。
嫌なことに気づいてしまったので、それは忘れていっそ白銀に染めてみるとしようか。
鏝でゆるやかな癖をつけても良いし、思い切って逆立ててみるのも……おや、悪くないね。
目元に化粧を施したら実にスタイリッシュな悪役っぽいよ、
この恰好で過ごしていたら私の物語を再び世に送り出したいなんてオファーが来るかもしれないね。
なんだかなー、イヴ見てて目から魂のしずくがあふれそうだよ。
遊びってか、現実逃避? なんかそんな絵になってきてるしさあ。
とりあえず現実に戻ってこれるように人間たくさん呼び込んでこよっと。
魂いっぱい捧げて、ご主人の魔力は増えるし魔神さま復活に近づくし、いいことだらけ!
それじゃ今日はこれで! またねー!
むしった私の髪を返せ……、あの禿爺……。
そろそろ冬支度をしなくてはね。暖炉の掃除をしておこうかな。
服も冬物を出して……古くなった物は処分しないといけない。
気温の変化で体調を崩さぬよう、気をつけるんだよ。
>>226 ザムーノレ(影武者)
……まったく、お前もとんだ災難だったねえ。同情するよ。
なかなかの魔術の腕だったけれど、それが災いして影武者役にされたようだね。
しかし、姿を似せるのに髪まで失うとは……変化や幻惑の魔法を使ったとばかり思っていたんだが。
失われた髪の代わりと言ってはなんだが、髭をむしって頭に植えてあげよう。
でもさ、お前も悪いんだよ?
無理だと思ったなら逃げれば良かったのに……そんなに始末されるのが怖かったのかい?
ザムールの処罰を逃れたとて、私に殺されるかも知れなかったのに?
命を大事にするのは良いことだけどもね、矜持を捨ててでも他人に従うべき時、
そして身の回りのすべてを捨ててでも逃げるべき時は見誤ってはいけない。
恨むのなら、あの老獪邪智なる大魔導士を恨みたまえ。
あれの本性に気づかずにいた点では、私も父上もお前と同じ罪だ……。
お前には同情するし、残される家族も哀れでならないが──
私は人間の魂を狩る契約者、ここは魔神の館。
私はここを訪れる人間を等しく獲物としてもてなすことにしているんだ。
なに、安心して待つといい。いずれザムールもそこへ行くだろうからさ。
それじゃ、おやすみ。
≪物理系ダメージトラップランクB:ライジングフロア≫
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話 は 聞 か せ て も ら っ た !
>>1 に は 山 ほ ど 説 教 が あ る ! !
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ス マ ン 乗 り 込 む 場 所 間 違 っ た
ふっかふかの布団と毛布と枕
そろそろ寒くなるこの時期、気持ち良すぎてベッドから一歩も出たくなくなり
毎朝遅刻寸前です
ゼメキアはここしばらく冬の訪れを近くに感じる気候だったけれど、
急に温かい日があったと思ったらまた冷え込んで、あまり体に優しくないね。
甘い実りや鮮やかな紅葉には必要なものなのかな。
温かいものを飲んで、体を冷やさぬよう気をつけないといけないな。
>>228 (ガシャーン!!)
ッ!? な、なんだいきなり!
窓から侵入するとは無礼な!
……異国の書物で読んだことがある……怪しげな館を探索していたら、
廊下の窓を突き破って犬の姿のアンデッドが飛び込んでくるんだ……
おまえもそういった類のものか?
──あ、こらっ。間違った、じゃないよ。
わざとだろう!? わざと窓を二箇所壊していったな!? 寒いじゃないか!
大体「話を聞いていた」んだろう? ならば間違いではなかろう。
それとも君が勘違いをするような、私と共通点のある何者かに説教をしに来たのかい?
そう慌てずともいいじゃないか、まあゆっくりして行きたまえよ。
私も君をもてなしたいんだ、窓の修繕に金がいるからね。
──逃がさん……逃がさんぞ……。金でも魂でも、必ず奪ってやる。
>>229 (部屋に罠が)
ああ……分かる、分かるよ……何故だろう。
王族であったころ、罠など知らなかったころの私も君と同じ思いをしていたよ。
公務を終えて寝室に戻れば甘い言葉で誘惑してきて、その抱擁に応えようとすればひやりとした肌触りにぎょっとさせられる。
そのくせ朝になったなら温かい腕で引き止めてくる、気まぐれな罠だ。
寒くなってくると衣類だけでなく寝具も温かいものに替えるけれど、
あのふんわりとしつつも確かな感触で包んでくれる喜びは何者にも代え難いね。
毎朝声が誘うんだ、温かいここから出るのなどやめて、今日は1日のんびりと過ごしてしまおう……とね。
──罠というものも様々あるけれど、ヒトの本能と精神に訴えかけるタイプはつらいものがある、
罠との戦いじゃないのだよ。自分との戦いだ。
しかも毎日続くのだから、少々精神力が弱まっている時は抗いがたい魅力になってしまう。
しかし、まあ、かと言って寝具を薄いものにしたら風邪をひいてしまうからねえ。
私にできることは「頑張れ」と応援することくらいだろうか。
私も闇の住人といえども所詮はヒトの身、毎朝戦いを強いられているよ。一緒にこの戦いを生き抜こうじゃないか。
差し入れにこれをあげようね。鉄の器に熱湯を満たして蓋をしめ、タオルで包んだものだ。
これをベッドに入れておくと朝の修行の難易度が跳ね上がるよ……ふふ。
床に就く間際に入浴すると血液の流れが活発になって却って寝つきにくくなるらしいねぇ。
難しいものだよ……と思っていたらナーガエンプレスが寒そうにしていたので、
何か改善策がないか思案しているところだよ。半身が蛇であるうえに、露出度が高いからな……どうしたものだろうね。
女性は腹部や下半身を冷やすのは良くないよ。
>>231 (親切なのか更なる罠なのかわかんねw)
ははは、何を言うんだい!
私にとって、ここを訪れ言葉を交わしてくれる君たちの存在は半ば同胞のようなものなんだよ。
だからこそ親しみをこめて闇の子と呼んでいるんだ。
そして私も経験している冷えと温もりの波状攻撃による消耗……それに打ち克つためには、鍛錬しかない。
私だって契約者として罠を操り戦う日々だからね、日頃の鍛錬を怠るわけには行かないさ。
獅子は千尋の谷へと我が子を突き落とすと言うが、強くなって生き抜いて欲しいという親心だろう?
私もまた、親愛なる闇の子らへそんな愛情を注ぎたいと思っている。
──親切と見せかけた罠と思ってもらっても、まあ、あながち間違いではないというか……
試練を乗り越えたなら、それはそれで「おめでとう」と喜ぶんじゃないかなあ、たぶんね。
;゙ ;ω;;,,/^l
,-‐-y'"゙"''゙゙"´ |
ヽ、,;' ; ω ; ミ 私の割ったガラスだ……
ミ====[==]=l==ミ 払わせていただきます……
ミ ヽУ ̄ ̄/;;
';,. /請求/ ミ
;;,,  ̄ ̄ ,;;゙
∪"゙'''"゙∪
湖が見えてきました。さてその深さは?
問2
1本1本が長いスパゲッティがあります。その1本を食べきる時間は?
長らく留守にしてしまい済まない、取り急ぎ魔力室から君たちをお持て成ししよう。
>>233 (払わせていただきます……)
──先ほどの勢いとは打って変わって随分しおれているじゃないか。
そんな風にされてしまうと、どうも、こう……毒気を抜かれると言うか、
どうにもやりにくいね。
……と、以前の私なら言っただろうね。フフ。
館のガラスを割ったのは君だ、そして私は君にガラスの代金を請求した。
君が支払うのは当然の義務で、私が受け取るのは当然の権利だからね。
では頂くよ。
人間でない君がWarl貨幣を持っているのはちょっと予想外だねぇ。もしかして、重い魂を持っていたりもするのかい?
少しだけでいいから、見せてくれないか……君の魂の色をさ。
>>234 (ポーカーやらない?)
生憎とポーカーの経験はあまりないのだけど、手札で揃えた役の強さを競う遊戯……ギャンブルと言うべきなのかな。
お手柔らかに頼むよ。ハンディキャップは要らないけれど、そうだな……もし私が勝ったら、君の魂が欲しいな。
いいだろう? 素人同然の私を相手にするんだしさ。それくらいのスリルがあった方が楽しいと思うよ。
さて、ポーカーのルールはどうしようね? クローズド、スタッド……君はどちらが好きだろうか。
私は素人ながらスタッドに心惹かれるねぇ。まあ、こんなタイプが格好のカモになるのだろうけどね。
……察しがついているだろうが、ポーカーの入門書を片手に会話している状況だよ、ふふふ。
一応役については把握しているとも。異国のボードゲーム「麻雀」に比べれば覚えやすいものだ。
それはいわゆる心理テストというものかな? 身構えずに素直に答えたいのだけど、
似たような文章でも答えが自分の何を示すのか異なったりするから少し緊張してしまうよ。
さて、湖か……私はこの館を出て、薄暗い森を歩いているんだ。
どれだけ歩いたのか、時間も距離も分からないくらいになったころ、突然目の前の景色が開けて……
そこは陽光が燦々と降り注ぎ、柔らかな草と可憐な花が咲いている場所なんだよ。
眼前に広がる湖の水はとても透き通っていて、どれくらいの深さなのか分からない。
濁ってはいないのに深さが分からなくて、私は困惑する──分からないと言いながら、内心では恐ろしく深いのだと思っている。
そんなところだろうね。
次はパスタだね。1本が長いと言うことは、1本分を口に入れればそれだけで間違いなく口が一杯になってしまうねえ。
──いや、もしかしたら口に入りきらない長さのパスタを、食べては続きを口に入れ、食べては続きを口に入れ……
そんな有様になるのかな。
場所はどこか、ともにする相手がいるか、それにもよるけれど、長いと言うくらいだから3分くらいはかかりそうだね。
……この答えで私の何かが見透かされると思うと、ぞくぞくするね。
私自身が気づいていないものだとなお楽しみだよ。
思い出した時で良いから、是非答えについて教えておくれ。
>>236-237 (関係ないよね!)
まとめての返事で申し訳ないね。
>>236氏の語る「性夜」というものについて、私はどうにも腑に落ちなくてね。
もともとはひとつの宗教において、特別な日だったのだよね?
特別な日であるなら、大切な人と過ごすのも良いし、自分のやりたいことで1日を過ごすのも良いだろう。
恋人と過ごすのも、家族と過ごすのも、友人と過ごすのも、独りで過ごすのも、自分にとって良い1日となるならそれで良いじゃないか、ねえ?
宗教からして、自分にとって都合の良いものを信じるようなものなんだからさ。
そういった行事を商いに取り入れ消費を促すのもまあ、悪ではないだろう。しかし踊らされるばかりではいけないよ。
君たちが真に願う過ごし方をするべきだ。
性なる夜という風潮に対して異を唱えるのも、自分の自由ではあるけれど……赤の他人に対して怨念を燃やすだけで1日を費やすのは、
特別な日でなくとももったいないと思わないかい?
怨念で生きる私が言うのもどうかと思うけれどね、ふふ。
……私などは恋人と過ごそうにもフィアナはもう、私の命令は聞いても笑いかけてはくれない。
家族にいたっては考えたくもない、友人はもう殺してしまった、せめて独り静かに物思いに耽ろうとしても人間どもが押し寄せてくる。
性夜も聖夜も館主には関係ないんだよ!
一年の終わりも、新たな一年の始まりも、人間を狩って狩って狩って……魔神に捧ぐ魂は増える、けれどね。
一年を振り返る時間すら私にはないし、新たな年を目標を持って迎えようにもそんな時間はやはりないんだ。
館は年中無休ではあるけれど、真夜中だろうと人間が侵入してくるのにはほとほと困っているよ。
──まあ、私が彼らの立場であるならば、同じようにしているだろうけどね。
適度にうまい話や現金でならず者どもを集めてさ、数人ずつ徒党を組ませて時間差で乗り込ませるんだ。
当然そんなごろつき風情が館主を倒せるとは思わないが、心身が少しずつ疲弊してくる頃合いを見計らって、主力を送り込む。
とどめは当然私の手で刺す。
……>>236氏流の表現を借りるならば……
「私の使い魔がこんなに ああ、すまないこれ以上を言うのは危険なようだ
「これは親友ですか?」
「とある館主の獲物目録」
……陰鬱さが欠けるねえ。「デスプリンセスは笑わない」は結構好みなのだけど。
待たせてばかりの不義理な私だが、君たちさえ良ければ……またここを訪れて欲しいと願うよ。
おやすみ、闇の子ら。
君たちを苦しめる憎しみや怨念は私が背負おう。
君たちを悩ませる悪夢は私が引き受けよう。
親愛なる闇の子らが、健やかに心安らかに……いや、闇の子供たちにそういった挨拶は似つかわしくないか。
新たに迎える1年で、私も君たちも悲願を成就できるよう、呪われし館から祈っているよ。
あれって館主さんがいろいろなうら声出してるんですか?
助けを呼ぶ悲鳴で「キャー助けてー!」とかやってると思うと笑えるんですがw
せっかくなので「当主の嘲笑い」をお願いいたします。
ラミアとかゾンビとかゴーストとか単純なのは納得いくんだけどね。
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